Story
#1

交わる下町のコーヒー屋さん。

「ニューヨークのブルックリンのような街でしょ。」

小さなお子さんを連れて散歩中の若いお母さん。

商店街で買い物途中に話が弾む奥さま。

ちょっと早めの時間から赤提灯のお店から賑わうお父さんの声。

店先で腰かけてお話しているおじいちゃんおばあちゃん。

古い民家。昔ながらの商店街。懐かしさ感じる銭湯。

昔ながらの居酒屋にスタイリッシュなイマドキのらーめん屋。

旧き中に新しさも交わる塚本は、大阪の中心地梅田から電車でひと駅とは思えない懐かしい情景の多い街。

そんな塚本で地元の住民の方だけでなく、遠方からも人々が集まるコーヒースタンド『THE coffee time -HOME-』があります。

ブルックリンといえば、古いアパートや倉庫があるアンティークな雰囲気が残る街。

1990年代頃からアーティストやデザイナーなどクリエイティブな人々が集まるようになり、そこからブルックリンカルチャーが生み出されたて世界中から注目を浴びています。

アメリカンカルチャーが大好きな野寺さんは、お店をオープンするにあたって、たくさんの街を見て歩き、ニューヨークのブルックリンのような雰囲気を感じたここ塚本に、『THE coffee time』をオープン。

オープンしたのは皆さんご存知のブルーボトルコーヒーが上陸した2015年2月始まるサードウェーブと呼ばれる新たなコーヒーブームより前の2013年11月でした。

そんな世の中にコーヒースタンドがまだまだ珍しい時期に、塚本という場所でコーヒースタンドを始めたきっかけを聞きました。

「男として生まれたからには何かを成し遂げたかったんです。」

昔からこういう想いは持ちつつ、野寺さんの想い出が結び付いてコーヒースタンドをすることを決心したそうです。

「その1つは昔の祖父母との想い出です。」

「小さい頃、夏休みになると祖父母の家に泊まりに行くことがお決まりなっていたんですよね。

朝、祖父母の家で目覚めると決まって挽きたてのコーヒーの香りが家中でしてました。

その挽きたてのコーヒーの香りで目覚める朝がほんとうに大好きで、そんな香りの中で祖父母と一緒に朝ご飯を食べてたんです。

その時間が本当に大好きで、その影響なのか、いつの間にかコーヒーが好きになってました。」

-もう1つはなんだったんですか。

「18歳の時のニュージーランドへの語学留学ですね。」

「アメリカンカルチャーが好きで、英語に触れたいとずっと思ってました。

そうして学生時代にニュージーランドに留学したときに、地域のコミュニティーとなっているコーヒースタンドに出会い、1人や友人同士で過ごす日本の喫茶店とは違うコーヒースタンドの在り方に衝撃を受けました。

でも、日本の喫茶店の良さもわかっているので、ミックスしたカタチでやりたいと思いました。」

ローカルな街並みが残る塚本に馴染んだ、カフェとも喫茶店ともいえるたたずまいの空間で、シングルオリジンのスペシャルティコーヒーの豆を自家焙煎し、コーヒーに合わせた焼き菓子やパンを手作りして、訪れる人たちに心地よい時間を提供しています。

今ではコーヒーを始めるお店の焙煎指導までするようになったthe COFFEE TIMEのコーヒーは、家での引きこもり生活で焙煎・ドリップの繰り返しの独学によるもの。

出かけるといえば、友人のお店の店先やイベントなどでコーヒーを飲んでもらうための出店だったりと、コーヒー漬けの毎日。

「気付けばその生活は1年ほどたっていました。」と、笑う野寺さん。

the COFFEE TIMEではドリップコーヒーのほかにオススメしているコーヒーメニューがあります。

それは野寺さんが留学したニュージーランドで飲んでいたフラットホワイトです。

フラットホワイトとはエスプレッソに泡立てたミルクを使うのはカフェラテと一緒ですが、

通常よりきめ細やかに泡立てたミルクを使い、使うミルクの分量がカフェラテより少なくなっています。

そうすることによって、よりエスプレッソの味を感じることができ、コーヒーの魅力をより伝えることのできる飲み物です。

THE coffee time では自家焙煎したコーヒー豆をより味わってもらえるようフラットホワイトにて提供し、

野寺さんが魅力感じたニュージーランドのスタイルも感じてもらえるようにこのスタイルで味わってもらえるようにしています。

もちろん、コーヒーとの相性を考えてTHE coffee timeはフードメニューも充実しています。

みんなが大好きなパンケーキだったりホットドッグだったり。

そんな中でも大人気なのがTHE coffee timeではコレでしょと言われるくらいの名物となったドーナツ。

「イメージはアメリカのドラマに出てくるFATな警官が袋から取り出して頬張るドーナツなんです。」

こう言いながらドリップしたコーヒーとドーナツを用意してくださいました。

見た目はイメージ通りのアメリカンなルックスですが、ココナッツオイルで丁寧に揚げていて、フワフワで優しい口当たり。

コーヒーを片手に何個でもペロッといけそうな感じです。

ドーナツを始め、心地よい時間を過ごしてもらうことを考えているうちに、メニューのラインナップは開店当初よりどんどん膨らんでいっているとのことです。

そして、そんな想いから生まれたメニューはパンやお菓子など自家製にこだわったメニューだけでなく、大阪のこだわりのお店とのコラボで生まれたメニューもたくさん。

例えば、美味しいアイスコーヒーを提供するためには、氷にもこだわりたい。そこで、塚本からすぐ近くの十三にある野口商店から氷を仕入れてコールドドリンクに使用しています。

そして、せっかく美味しい氷があるのだからと、野口商店の氷を使用したオリジナルのかき氷もメニューイン。もちろん、シロップなども手作りです。

【かき氷写真】

このようにして、ローカルショップとのコラボレーションを通じて、良いモノを届け、手にとってもらえる環境を作っています。

そして、もっとできることがないかと考えたときに、たどりついたのが不定期開催でおこなっている『塚本08マーケット』。

【塚本08マーケット写真】

THE coffee timeがお店で使用しているお米や野菜は有機栽培の南大阪の農家から直接仕入れてきているもの。

もっと、地域の方に地元大阪の野菜の美味しさを知ってもらいたい。そんな想いで現在は朝市のようなイベントとして定期的に開催。

「このイベントなどはニュージーランドで出会ったコーヒースタンドを参考に、塚本でもコミュニティー作りを実現しようと思った結果です。」と、野寺さん。

その他にもオープン当初にベビーマッサージのイベントを開催した想いを語ってくれました。

「ベビーマッサージのイベントをして、マッサージを受けた子ども達が幼馴染として仲良くなり将来一緒に、お店に来てくれることを想像したらワクワクしたんです。」

このように今だけでなく、未来につながる塚本のローカルコミュニティのための店づくりをして、塚本の地に根差し、懐かしの味・懐かしの場所として語り継がれる場所として存在し続けるお店になるんだと思います。

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