Story
#2

卵が好きたからこそ生まれた絶品キッシュ。

Œuf (ウフ)。

聞き慣れない言葉ですが、みんなが大好きな食べ物。

みなさん、何か分かるでしょうか?

答えは子供から大人までみんなが魅了され、それぞれの国であらゆる料理に使われている食べ物『たまご』。

今回ご紹介させていただく渡辺星良(わたなべせいら)さんは、たまごが何よりも大好きな方で、フランス語でたまごを意味するŒuf (ウフ)の名前で、大阪中津にあるキタの北ナガヤという長屋をリノベーションした複合施設のシェアキッチンで、お惣菜やお菓子を販売をしています。

Œuf (ウフ)の人気メニューが、日本でもフランスの家庭の味として親しまれているキッシュ(Quiche)です。

今ではカフェなどでよく見かけるようになったキッシュ。

正式名称は「キッシュ・ロレーヌ」で、フランスのアルザス=ロレーヌ地方発祥の郷土料理で、卵と生クリームを中心とした焼き料理です。

パイやタルトの生地を作った後、卵と生クリームを中心に野菜、ベーコン、チーズ、クレームフレッシュなどを炒めて作った「アパレイユ(キッシュのたね)」を流し込み、オーブンで焼き上げて完成。

シンプルなレシピで、食材によってバリエーションも豊かで、アレンジもでき、家庭の味として親しまれています。

そんなキッシュと渡辺星良さんとの出会いを語ってくれました。

学生時代にインテリアや空間の勉強をしていた渡辺さんは、衣食住に関わる仕事をしたいとの想いから、ライフスタイルをプロデュースする会社で働き始めます。
配属されたのがカフェ部門となり、料理の道に進むきっかけとなりました。

初めて仕事としての料理ということで、戸惑うことが多かったかと思いきや、食はもちろん、いろんなジャンルのクリエイティブな人に囲まれる毎日。

「刺激的で楽しく毎日が充実でした。だから、食を仕事とするのも今まで続けてこれたのだと思います。」

刺激的な毎日の中で、色々な調理経験を積む中で、今でも鮮明に覚えてること。

それが、生まれて初めて自分で作ったキッシュが綺麗に焼き上がった時の感動。

この時の感動が今キッシュをメインメニューにしている理由の1つにもなっているそうです。

結婚を機にいったん仕事から離れますが、子育ても落ち着いた時に将来について改めて考え始めた。

「お店ができたらいいなあ。」

そこで頭に思い浮かんだのが、ご主人も大好きなフランス料理とワイン。

本格的にフランス料理を勉強しようと相談すると、フランス留学の経験あるご主人がハマっている老舗ビストロを薦められたそう。

じゃあ、そこで働いてみようと連絡してみると、そのときもたまたま募集中。

「本当に運に恵まれてました。」

フランス料理は何も知らないゼロからのスタートだったので、本を読んだり食べ歩きをしたり、勉強しながら働いて今では10年以上のキャリア。

その傍らでイベント出店などしながら、小さくても良いから、自分の場所が欲しいなあって思っていた時にキタの北ナガヤの存在を友人の紹介で知ります。

週一だけというのも自分のペースで無理なく出来るし魅力的だと感じ、現在のカタチになるシェアキッチンでの店頭販売をスタート。

名物の日替わりキッシュにサラダ・フレンチ惣菜・パンがセットになったキッシュボックスは近所にお住まい・お勤めの方に大変好評です。

そんな人気のある絶品キッシュのこだわりを聞きました。

「一番こだわっているのは生地です。」

サクッとした生地で具材たっぷりの食べ応えのある美味しいキッシュ作りにこだわっている渡辺星良さん。

Œuf (ウフ)ではシェアキッチンでの販売によるテイクアウトがメインになるため、持ち帰りって出来立てのサクサク感を味わってほしい。

そして今、国産小麦粉とバターで風味豊かでサクサクに、そして、全粒粉で香ばしさをプラスした生地にたどり着きました。

そして、今の生地も好きだけど、もっとおいしく出来ないか色々な生地を見たり、配合を試行錯誤したり、日々勉強中とのこと。

「キッシュの具材に使っている野菜は、農薬も化学肥料も使わずに自然の力を活かして野菜を栽培している大阪の能勢のやまはる農園さんから旬のものを送ってもらっています。

そして、食材の味がちゃんと味わえるように、具材とアパレイユのバランスに気を付けています。

具材をアパレイユの中に混ぜて焼くのか、具材を上に乗せて焼くのか…使う食材によって、焼き方を変えてます。」

Œuf (ウフ)ではもう1つ人気のメニューがあります。

それは、コンビニスイーツで有名になった巷ではバスクチーズケーキと言われている黒いチーズケーキ。

「このチーズケーキは、料理本を見てる中でビビッときて、作りたい、食べてみたいと思ったんです。」

現地のものはだいぶ甘いので日本人に合わせた砂糖の量にして、綺麗な焼き上がりというよりは、無骨な感じに焼く。

北海道産の生クリームをふんだんに使い、見た目とは裏腹に舌の上でとろけるかのごとくめちゃくちゃクリーミーに仕上がるように試行錯誤して完成。

カラメルのようなほろ苦さと甘さ、そしてさわやかな酸味の三重奏は甘いモノに目がない女性だけでなく、甘いモノはちょっとという男性にも好評。

ぜひキッシュとともに、Œuf (ウフ)では味わってもらいたいメニューの1つです。

そして、今後についても聞きました。

「たくさんの人に美味しいものを食べてもらえる場所を作れたらなと思ってます。」

「キッシュを買って笑顔で帰る方、美味しかったよって言ってくれる方、キタの北ナガヤという場所があって出会えました。今は週1回のシェアキッチンという形ですが、もう少しお会いできる場所を増やして、もっとたくさんの人に美味しいとか楽しいを毎日届けれたら、わたしも楽しいですね。」と。

キッシュだけでなくフランスの家庭料理をたくさんの人に楽しんでもらいたいという目標に向かって、日々活動しているŒuf (ウフ)の渡辺星良さんのココロ温まる絶品料理をぜひ味わってみてください。

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